「健康のためには、甘いものを控えたほうがいい」
健康を意識し始めると、そんな言葉を耳にすることがあります。
たしかに、毎日の食生活を考えるうえで、食べる量や栄養のバランスを意識することは大切です。
でも、だからといって、お菓子を「健康の敵」と考える必要があるのでしょうか。
Lumiaでは、少し違った角度から「お菓子」と「健康」を考えていきたいと思っています。
それは、お菓子を楽しみながら、栄養について知ることです。
洋菓子には、小麦粉、卵、牛乳・乳製品、ナッツ、カカオ、果物など、さまざまな食品が使われています。
その一つひとつには、さまざまな栄養素が含まれています。
だからこそ、お菓子を入り口に、
「この食材には、どんな栄養があるのだろう?」
と考えてみる。
そうすると、「栄養学」という少し難しそうなテーマも、もっと身近なものとして感じられるかもしれません。
この記事では、これから栄養について学んでいくために、まず知っておきたい基本を分かりやすく整理します。
「栄養」とは、そもそも何でしょうか?
「栄養」という言葉は普段からよく使いますが、改めて考えると少し難しく感じるかもしれません。
私たちは食べ物からエネルギーや栄養素を取り入れ、それらを身体のさまざまな働きに利用しています。
厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準」では、健康の保持・増進などを目的として、エネルギーや各栄養素について、1日当たりの摂取量を考えるための基準が示されています。
現在の「日本人の食事摂取基準」は2025年版で、令和7年度から令和11年度までの5年間に使用されるものです。
つまり、健康的な食生活について考えるときには、
「何を食べるか」
だけではなく、
「どのような栄養素を含む食品を食べているのか」
という視点を持つことも大切です。
ただし、栄養は一つの食品だけで考えるものではありません。
毎日の食事全体を見ながら、さまざまな食品を組み合わせて考えていくことが基本になります。
まず知っておきたい5つの栄養素
食品に含まれる栄養素には、さまざまな種類があります。
ここでは、これから栄養を学ぶための入り口として、まず代表的な栄養素を見てみましょう。
たんぱく質
たんぱく質は、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など、さまざまな食品に含まれています。
身体を構成する重要な成分の一つであり、健康的な食生活を考えるうえでも欠かせない栄養素です。
洋菓子にも卵や牛乳など、たんぱく質を含む食品が使われています。
パティシエの視点から見ると、「お菓子の材料」として見ていた食品を、「栄養」という別の角度から見直すことができます。
脂質
脂質も、私たちの食生活に欠かせない栄養素の一つです。
バターや植物油、ナッツ類など、さまざまな食品に含まれています。
洋菓子では、バターや生クリーム、ナッツ類など、脂質を含む材料が数多く使われます。
ここで大切なのは、「脂質=悪いもの」と単純に考えないことです。
健康について考えるときには、脂質をどれだけ摂ったかだけでなく、どのような食品から摂っているのか、食生活全体ではどうなっているのかという視点も必要です。
炭水化物
炭水化物は、ご飯、パン、麺類などの穀類をはじめ、さまざまな食品に含まれています。
洋菓子では砂糖や小麦粉など、炭水化物に関わる材料が使われています。
ここで覚えておきたいのが、「炭水化物」と「糖質」は同じ意味ではないということです。
炭水化物は、糖質と食物繊維から構成されます。
そのため、栄養について学ぶときには、普段何気なく使っている言葉の意味を一つずつ整理することも大切です。
ビタミン
ビタミンは、身体のさまざまな機能を正常に保つために必要な栄養素です。
ビタミンには複数の種類があり、それぞれ性質や働きが異なります。
野菜や果物など、さまざまな食品に含まれているため、特定の食品だけに頼るのではなく、幅広い食品を組み合わせることが基本になります。
ミネラル
ミネラルも、健康的な食生活を考えるうえで重要な栄養素です。
カルシウムや鉄など、さまざまな種類があります。
こちらも種類によって特徴や食品からの摂取源が異なります。
Lumiaでは今後、カルシウム、鉄、ビタミンDなど、具体的な栄養素についても一つずつ取り上げていきます。
栄養素は「一つだけ」ではなく、食生活全体で考える
ここは、Lumiaで栄養について学ぶうえで大切にしたいポイントです。
インターネットでは、
「○○を食べれば健康になる」
「○○を摂れば若返る」
「○○を食べるだけで身体が変わる」
といった表現を見かけることがあります。
しかし、健康を考えるときに、一つの食品や一つの栄養素だけに注目するのは適切ではありません。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」も、エネルギーや各栄養素について、健康の保持・増進などの観点から基準を示しています。
大切なのは、
「何か一つを摂ればいい」と考えるのではなく、毎日の食生活全体を見ながら、自分に必要な栄養を考えること
です。
だからLumiaでも、特定の食品や栄養素を「これさえ食べれば大丈夫」といった形で紹介するのではなく、その栄養素の特徴や食品からの摂取、食生活全体との関係を丁寧に見ていきます。
健康的な食生活を考える「食事バランスガイド」
栄養について考えるとき、もう一つ覚えておきたいのが「バランス」という考え方です。
農林水産省と厚生労働省の「食事バランスガイド」では、1日に「何を」「どれだけ」食べるかを考える際の参考として、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物という5つの料理グループが示されています。
これは、「この食品だけ食べればいい」という考え方ではありません。
さまざまな料理や食品を組み合わせながら、食事全体のバランスを考えるための目安です。
また、「食事バランスガイド」は健康な方の健康づくりを目的としたものです。医師や管理栄養士から食事指導を受けている場合は、その指導を優先する必要があります。
つまり、健康的な食生活を考えるときには、「何か一つを足せば解決する」という発想ではなく、毎日の食事全体を見渡すことが大切なのです。
お菓子は「栄養を学ぶ入り口」にもできます
では、なぜLumiaは「お菓子」と「健康」をテーマにするのでしょうか。
その理由の一つは、洋菓子にはさまざまな食品が使われているからです。
例えば、ショートケーキを考えてみましょう。
小麦粉。
卵。
牛乳や乳製品。
砂糖。
果物。
そして、生クリームなど。
一つのお菓子を見ても、実に多くの材料が使われています。
その一つひとつに目を向けて、
「この食材にはどんな栄養素が含まれているのだろう?」
「この栄養素にはどんな特徴があるのだろう?」
「普段の食事では、どんな食品から摂っているのだろう?」
と考えてみる。
そうすると、「栄養学」という少し難しそうなテーマが、ぐっと身近になります。
例えば、卵について知りたくなったら、卵に含まれるたんぱく質やビタミン・ミネラルについて調べてみる。
ナッツを使ったお菓子を食べたら、アーモンドやくるみにどのような栄養が含まれているのかを調べてみる。
チョコレートを食べるなら、原料であるカカオについて知ってみる。
このように、
「好きなお菓子」から「食材」へ。
「食材」から「栄養」へ。
Lumiaでは、そんな学び方を提案したいと考えています。
お菓子を「食べる・食べない」だけで考えない
健康を意識すると、お菓子を食べることに罪悪感を持ってしまう人もいるかもしれません。
もちろん、食べる量や頻度などを考えることは大切です。
しかし、食生活を「食べていいもの」と「食べてはいけないもの」だけで分けてしまうと、食事そのものを楽しむことが難しくなってしまうこともあります。
大切なのは、食事全体のバランスを考えながら、自分の食生活にお菓子をどう取り入れていくかを考えることです。
「お菓子を食べたから健康に悪い」
と一部分だけを見るのではなく、
「今日はどんな食事をしただろう?」
「普段の食生活はどうだろう?」
「いろいろな食品を食べているだろうか?」
と、もう少し広い視点から考えてみる。
そうすれば、お菓子を楽しみながら、食生活について考えるきっかけを作ることができます。
栄養を知ると、食べることがもっと面白くなる
栄養の知識を身につけることは、単に「健康のために我慢する」ためだけのものではありません。
むしろ、普段食べているものを違った視点から見るための知識にもなります。
例えば、ケーキを食べたとき。
以前なら「おいしい」で終わっていたものが、
「このスポンジには卵が使われているな」
「卵にはどんな栄養があるのだろう?」
「クリームには乳製品が使われているな」
「このナッツにはどんな特徴があるのだろう?」
と、少しずつ興味が広がっていきます。
知識が増えると、食べ物を見る目も変わります。
そして、食べることそのものが、もっと面白くなるかもしれません。
これは、私がパティシエとしてお菓子に携わってきたからこそ感じる、食の面白さの一つでもあります。
お菓子は、ただ「甘いもの」として見ることもできます。
でも、材料一つひとつに目を向ければ、そこには食材の特徴や栄養、文化、製菓技術など、さまざまな世界が広がっています。
Lumiaで一緒に「お菓子×栄養」を学んでいきましょう
栄養について学ぶとき、最初からすべてを覚える必要はありません。
まずは、
「栄養素にはどんな種類があるのか」
「それぞれどんな特徴があるのか」
「どんな食品に含まれているのか」
という基本を知るところから始めれば十分です。
そして、そこから少しずつ、
「この食品には何が含まれている?」
「このお菓子にはどんな材料が使われている?」
と興味を広げていけばいいのです。
Lumiaではこれから、たんぱく質、鉄、カルシウム、ビタミンDなどの栄養素を一つずつ取り上げながら、卵、牛乳・乳製品、ナッツ、カカオなど、洋菓子に使われる身近な食材についても紹介していきます。
お菓子を楽しむこと。
食べ物について知ること。
栄養について学ぶこと。
そして、その知識を毎日の食生活について考えるきっかけにすること。
それが、Lumiaが目指す
「健康と栄養の知識を、もっと身近に。」
という考え方です。
「健康のために、お菓子を我慢する」だけではなく、
「お菓子をきっかけに、食べることと健康について知っていく」
という方法もあります。
まずは、今日食べたものを一つだけ思い浮かべてみてください。
その食品には、どんな栄養素が含まれているでしょうか。
そこから始めるだけでも、栄養を知る第一歩になります。
まとめ
この記事では、栄養について学び始めるための基本を紹介しました。
- 栄養を考えるときは、さまざまな栄養素と食生活全体を見ることが大切です。
- たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、食品にはさまざまな栄養素が含まれています。
- 一つの食品や栄養素だけに注目するのではなく、毎日の食事全体のバランスを考えることが大切です。
- 「食事バランスガイド」は、何をどれだけ食べるかを考えるための一つの参考になります。
- お菓子に使われる卵、乳製品、ナッツ、カカオなども、栄養について学ぶ身近な入り口になります。
- お菓子を「食べる・食べない」だけで考えるのではなく、食生活全体を見ながら楽しむことも大切です。
- 5大栄養素について詳しく知りたい方へ
「糖質・脂質・たんぱく質とは?三大栄養素の役割を基礎から解説」
「ビタミン・ミネラルとは?健康を考えるために知っておきたい基本」
お菓子をきっかけに食材を知り、食材をきっかけに栄養を知る。
そんな小さな興味から、毎日の食生活を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
参考資料
※本記事は、栄養や食生活についての一般的な情報を紹介することを目的としています。特定の疾病の治療や予防、個別の栄養指導を目的としたものではありません。持病がある方や医師・管理栄養士などから食事指導を受けている方は、専門家の指示を優先してください。
