ビタミンDとは?カルシウムとの関係から知る、健康と食生活の基本

栄養・食生活

「カルシウムといえば、骨や歯に必要な栄養素」。

前記事では、そんなカルシウムについて、パティシエにとって身近な「乳製品」という食品から考えてみました。

牛乳、生クリーム、ヨーグルト、チーズ。

パティシエにとっては、どれもお菓子を作るための大切な材料です。

一方で、栄養という視点から見ると、カルシウムなどの栄養素を含む食品でもあります。

ところが、栄養について調べていくと、カルシウムだけではなく、もう一つ気になる栄養素が出てきます。

それが、ビタミンDです。

では、ビタミンDとはどのような栄養素なのでしょうか。

そして、カルシウムとはどのような関係があるのでしょうか。

今回は、ビタミンDの基本を確認しながら、そこから身近な食品へ、そしてパティシエにとって欠かせない「卵」へと話をつなげていきます。


ビタミンDとは、どんな栄養素?

ビタミンDは、脂溶性ビタミンの一つです。

ビタミンには、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と、脂に溶けやすい「脂溶性ビタミン」があります。

ビタミンDは、そのうち脂溶性ビタミンに分類されます。

ビタミンDについて特徴的なのは、食事から摂取するだけではないということです。

私たちの身体では、紫外線を浴びることによって皮膚でもビタミンDが作られます。

そのため、ビタミンDは「食べ物から摂る栄養素」というだけではなく、身体の中で作られるという特徴も持っています。

ただし、日光を浴びれば必ず十分な量が確保できる、という単純な話ではありません。

季節、生活環境、日照時間、衣服、年齢など、さまざまな要因が関係します。

そのため、食事から摂るビタミンDについても知っておくことが大切です。


カルシウムとビタミンDの関係

ここで、前記事の「カルシウム」に戻ってみましょう。

カルシウムは、骨や歯などに多く存在するミネラルです。

一方、ビタミンDは、カルシウムなどのミネラルの吸収や代謝に関わっています。

つまり、

カルシウムだけを見るのではなく、ビタミンDにも目を向けてみる。

これが今回の記事の出発点です。

栄養素は、それぞれが独立して存在しているわけではありません。

私たちの身体の中では、さまざまな栄養素が関わりながら働いています。

だからこそ、

「カルシウムを摂ればいい」

「ビタミンDを摂ればいい」

という一つだけに注目する考え方ではなく、

食生活全体を見ながら栄養を考える

ことが大切になります。


ビタミンDは、どんな食品に含まれている?

では、ビタミンDはどんな食品から摂ることができるのでしょうか。

代表的な食品として挙げられるのが、

魚類です。

また、

卵黄や、きのこ類などにもビタミンDが含まれています。

食品によって含まれる量には大きな違いがあります。

そのため、「ビタミンDを含む食品」という言葉だけで判断するのではなく、具体的な食品や摂取量を見ることも大切です。

文部科学省の「食品成分データベース」では、魚類、卵類、きのこ類などについて、ビタミンDを含む食品の成分値を確認できます。

こうして食品を一つずつ見ていくと、ビタミンDという栄養素が、意外と身近な食品とつながっていることが分かります。


ここで「卵」が登場する

ビタミンDを含む食品を見ていると、パティシエにとって非常に身近な食品が登場します。

それが、卵です。

卵は、家庭の食卓でも身近な食品ですが、パティシエにとっては、それ以上に重要な材料です。

スポンジ生地。

カスタードクリーム。

プリン。

シュー生地。

焼き菓子。

ムース。

さまざまな洋菓子に卵が使われています。

私自身、23年間パティシエとして仕事をしてきましたが、卵は「毎日のように扱ってきた材料」と言ってもいいほど身近な存在です。

しかし、パティシエが卵を見るときと、栄養という視点から卵を見るときでは、注目するところが違います。


パティシエから見た「卵」

パティシエにとって、卵は単なる材料ではありません。

卵黄と卵白では性質が異なり、それぞれが製菓の中で違った役割を持っています。

例えば卵黄には、乳化に関わる成分があります。

油脂と水分を組み合わせるような場面では、卵黄の性質が製菓上の重要なポイントになります。

一方、卵白は泡立てることで気泡を抱え込むことができます。

メレンゲを作ったり、スポンジ生地などの製菓工程で利用したりするのは、その性質があるからです。

さらに卵は、加熱することで固まる性質も持っています。

プリンやカスタードクリームを思い浮かべると分かりやすいでしょう。

つまりパティシエから見ると卵は、

乳化

起泡

凝固

という、製菓において非常に重要な性質を持った食材です。

これが、私が23年間製菓の現場で見てきた「卵」です。


栄養から見ると、卵はどう見える?

ところが、栄養という視点に切り替えると、卵の別の顔が見えてきます。

卵には、たんぱく質をはじめ、さまざまな栄養素が含まれています。

そして今回注目しているビタミンDも、その一つです。

ここで面白いのが、

「卵」という一つの食品に、複数の栄養素が含まれている

ということです。

前記事では「たんぱく質」

前記事では「ビタミン・ミネラル」

そして今回は「ビタミンD」。

これまで別々の記事で取り上げてきた栄養素が、一つの食品の中でつながってきます。

これこそ、栄養を食品から考える面白さではないでしょうか。


一つの食品を、一つの栄養素だけで見ない

例えば卵を見て、

「卵はたんぱく質の食品」

とだけ考えてしまうと、卵が持っている情報の一部しか見えていません。

もちろん、たんぱく質は卵を考えるうえで重要な栄養素です。

しかし、卵にはほかにもさまざまな栄養素が含まれています。

そして食品には、それぞれ異なる栄養成分の組み合わせがあります。

だからこそ、

「この食品には、どんな栄養素が含まれているのだろう?」

と考えてみることが大切です。

これは、Lumiaがこれから食品を紹介していくときにも大切にしたい考え方です。


「ビタミンDがあるから、この食品を食べればいい」ではない

ここで、もう一つ大切なことがあります。

栄養素について知識が増えてくると、

「ビタミンDが含まれている食品を食べればいい」

と考えたくなるかもしれません。

しかし、食生活はそんなに単純ではありません。

食品には、複数の栄養素が含まれています。

さらに、食べる量や頻度、ほかに何を食べるのかによっても、食生活全体の栄養バランスは変わります。

だからLumiaでは、

「この食品を食べれば健康になれる」

という単純な伝え方はしません。

一つの食品だけに答えを求めるのではなく、

いろいろな食品を知り、食生活全体を見る。

そのための知識を少しずつ増やしていく。

それがLumiaの考える「栄養を知る」ということです。


パティシエから見ると、卵は「栄養素」ではなく「技術」にもつながる

ここは、パティシエである私だからこそ伝えられる部分です。

栄養の話をするとき、卵はどうしても「たんぱく質」や「ビタミン・ミネラル」といった栄養成分の話になりがちです。

しかし、製菓の現場では、卵はもっと実践的な存在です。

例えば、メレンゲを作るとき。

卵白を泡立てればいい、と単純に考えてしまうと、安定した仕上がりにはつながりません。

卵白の状態、温度、泡立て方、砂糖を加えるタイミングなど、さまざまな条件が関係します。

カスタードクリームでも同じです。

卵黄を使って加熱しながら、とろみをつけていきます。

加熱しすぎれば状態が変わり、滑らかなクリームを作るためには温度管理も重要になります。

こうしたことは、栄養成分表を見ているだけでは分かりません。

「食品としての卵」

「製菓材料としての卵」

は、同じ卵でも見ている世界が違います。

私は、この二つをつなげて考えることに、パティシエが栄養を語る意味があると思っています。


ビタミンDから「食生活全体」へ

今回、最初はカルシウムから話が始まりました。

カルシウムについて調べる。

関連する栄養素としてビタミンDに目を向ける。

ビタミンDを含む食品を見る。

その中に卵がある。

卵をパティシエの視点から見る。

このように、一つの栄養素を調べるだけでも、次々と別の食品や栄養素につながっていきます。

私は、これが栄養を学ぶ面白さだと思っています。

知識を一つ覚えて終わりではありません。

一つ知ると、次の「なぜ?」が出てくる。

その「なぜ?」を一つずつ調べていく。

そうすると、食生活全体が少しずつ立体的に見えてきます。


お菓子を作る材料から、普段の食生活を考える

そして、ここにLumiaならではの視点があります。

パティシエは毎日、たくさんの食品を扱います。

卵。

牛乳。

生クリーム。

バター。

小麦粉。

ナッツ。

カカオ。

果物。

これらは私たちにとって「お菓子の材料」です。

しかし、一歩視点を変えれば、どれも私たちが普段食べている食品です。

そこには、それぞれ違った栄養素があります。

だから私は、

「製菓材料を栄養という視点から見る」

ことには、大きな意味があると思っています。

お菓子を健康食品にする必要はありません。

お菓子は、おいしく楽しむものです。

その一方で、お菓子を作る材料について知ることで、普段の食生活や食品について考えるきっかけを作ることはできます。

それが、パティシエである私がLumiaで伝えていきたいことです。


次は「卵」をもっと深く見てみよう

今回、ビタミンDから卵へ話をつなげました。

しかし、卵についてはまだほんの一部しか紹介していません。

卵には、

「たんぱく質を含む食品」

という栄養面だけでなく、

「卵黄の乳化」

「卵白の起泡」

「加熱による凝固」

など、製菓に関わるさまざまな性質があります。

そして、栄養面から見ても、卵にはさまざまな栄養素が含まれています。

そこで次回は、一つの食品をもっと深く掘り下げます。

テーマは、「卵」です。

パティシエにとって卵は、なぜこれほど重要な材料なのでしょうか。

そして、栄養という視点から見ると、卵にはどのような特徴があるのでしょうか。

次回は、

「パティシエの目」と「栄養の目」

の両方から、卵という一つの食品をじっくり見ていきます。


まとめ

ビタミンDは、脂溶性ビタミンの一つです。

食事から摂取するだけでなく、紫外線によって皮膚でも作られるという特徴があります。

また、ビタミンDはカルシウムなどのミネラルの吸収や代謝に関わっています。

そのため、カルシウムについて考えるときには、ビタミンDという関連する栄養素にも目を向けることができます。

ビタミンDを含む食品には魚類、卵黄、きのこ類などがあります。

そして、その中にはパティシエにとって非常に身近な食品である「卵」もあります。

卵は、栄養という視点から見ると、たんぱく質などの栄養素を含む食品です。

一方、パティシエから見ると、乳化、起泡、凝固など、製菓に欠かせない性質を持つ重要な材料です。

このように、一つの食品でも、

「製菓材料として見る」のと「栄養を含む食品として見る」

のでは、見えてくるものが変わります。

Lumiaでは、これからもこの二つの視点を行き来しながら、お菓子と食品、そして栄養について考えていきます。

一つの栄養素を知る。

関連する栄養素を知る。

食品を見る。

その食品を、別の視点から見てみる。

こうやって知識をつなげていくと、普段の食生活が少し違って見えてくるかもしれません。


参考資料

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

文部科学省「食品成分データベース

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